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なぜパキスタンなのか?
私たちがパキスタンを選んだ理由は3つあります。
まず一つ目は新型コロナウイルスが始まって以来、4人に1人の女性が生理用品を買えていません。
2つ目はパキスタンでは生理を恥ずべきものと見なす人が多く、そのせいで学校を休まなければならなかったり、生理が何かをわからない生徒が沢山います。3つ目は現在パキスタンの一部の地域で、深刻な洪水が起こり、350人以上の命が奪われ、約7,000軒の家が壊されました。そのような状況では、女性が衛生的な生理用品を見つけることが極めて困難になっています。
生理の貧困が引き起こす問題
生理用品が買えないことで起こる問題として、主に教育、衛生、偏見に関する三つが挙げられます。
まず、教育を受ける権利が侵害されることです。十分な生理用品を得ることができない女子学生は生理の為に学校を休むことになります。その結果成績を維持することが難しく、学習を続けたいにも関わらずやむを得ず中退をしてしまう生徒も多いのです。特に発展途上国では教育の欠如から女性の雇用機会の減少に繋がっています。
また、経済的負担を減らす為、生理用品を交換する頻度を減らすほか、トイレットペーパーやティッシュなどの生理用品ではないもので代用している女性もいます。発展途上国に住んでいる女性の中には草や布を代用している人もおり、感染症のリスクが高まる為とても衛生的とは言えません。
生理の貧困とはなにも経済的な貧困だけだはありません。生理に対して「不潔」という固定概念がある国では生理中は隔離されてしまったり、生理に関することでいじめられたり揶揄われたりすることもあります。パキスタンや世界中の多くの少女はいまだに生理について話すことを恥ずかしく思っており、それについて話す媒体も持っていません。一方、男性は生理の会話を敬遠しがちです。
これらの問題はSDGsの目標1「貧困を無くそう」3「すべての人に健康と福祉を」,4「質の高い教育をみんなに」,5「ジェンダー平等を実現しよう」に直接的な関係があり、私達はこの生理の貧困に取り組むことによって、SDGsの目標達成にも近づくことができると考えています。